カエル人間
Mr.and Mrs.Frog
 
カエル人間
 
カエル人間 カエル人間
 
 カエル人間(Mr.and Mrs.Frog):両棲綱無尾目

 ルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」に登場し、その挿し絵で描かれる擬人化された直立するカエル。
 キャロルの小説以外でも多くの書籍やイラストで使用され、人々に愛されているキャラクターである「カエル人間」は作家が作ったイメージの存在であった。
 しかし、このフランス南部で発見された標本は、その奇妙なカエル人間なる生物の実在、あるいはモデルになった生物の存在を示唆するものである言えよう。

 解剖学的見地で観たところ、このカエルには本来無いはずの「首」の関節が存在し、同時に両棲類では未発達の肋骨が爬虫類並にしっかりとしている様に見受けられる。
 これは陸上で直立することに対応した骨格、つまり重力に対してその活動、内部器官を保護する進化の方向として発達した結果と考えてまず間違いないと結論づけられる。

 今回、この個体(雌雄2体)の発見により、これらのイメージされたカエル人間は実在の生物の存在をモデルにしたものであったと考えても問題無いと思えるのである。
 ただし、多くのイラストに描かれたように、このカエル人間がタキシードを着たり、ヴァイオリンを奏でる等と言ったイメージは、荒唐無稽な絵空事であろう。
 あくまでもこの生物は両棲類であり、所詮、高度な知能など持ち合わせているはずがないからである。


採集年 2004年
サイズ F6 (318×409mm)
 
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