龍(Aisan Dragon):硬骨魚綱鱗骨魚目
あたかも水墨で描いたような山水画の如き景色の広がる中国雲南省西部の奥地、沼沢地に囲まれた名も無き集落にて入手した未知の生物。
この生物は遙か古代よりこの地に棲息し、現在はその個体数を激減させてしまっている稀少魚である。
本種は湖沼の深部に棲息し、普段は滅多に人目に触れることは無いのだが、繁殖期(この地方の雨期に重なる)になると頻繁に水面から高く跳ねる(通常の魚よりかなり高いらしい)ことがある。
また、産卵の為、棲息する湖沼に流れ込む川をさかのぼる習性を持ち、上流を目指し時には滝をも昇る姿が目撃されている。
この水面を高々と跳ね、滝を昇る様、そして雨期にその姿を現すことから古来よりこの生物こそ「龍」であると考えられていたようである。
そして、この生物の姿形や習性をモデルとして我々が知っている中国や日本の龍の伝承が創られたのではないかと私は推測する。
それ故、時の皇帝が不老不死の妙薬としてこの魚を珍重し、一時大規模に乱獲されたこともあったようである。
尚、この個体は現地に住む張氏の家に代々受け継がれたものを、好意により特別に譲り受けたものである。
採集年 2003年
サイズ M12 (606×409mm)
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