河童(Kappa):爬虫綱無鱗目
クチバシのある顔と皿がある頭部、背に甲羅をつけ水辺に棲むとされる伝説上の生物として日本全国にその名を知られる幻の獣である「河童」。
今回は茨城県南部に横たわる牛久沼周辺での調査で、その存在に関する可能性を示すひとつの発見に至ったのであった。
代々この土地で暮らしてきたY氏が自宅の納屋を改築するため、しまわれていた荷物を整理していた際、見つかった古めかしい木箱。
そこに残されていた記述によると、江戸時代末期の物とされるその箱に納められていた物体は河童と思われる生物のミイラであった。
私はこの生物をY氏から特別に譲り受け、独自に調査、分析をしてみた。
果たしてこのミイラが伝説上の幻獣「河童」なのだろうか?
否、この生物は未確認の新種と考えることが妥当であろう。
私は、このミイラがおよそ200年程前まで日本各地の沼沢地に棲息し、現在では絶滅してしまった未確認種の爬虫類(骨格などの特徴から)ではないかと推察する。
発達した頭蓋頭頂部は皿をかぶったが如き形状であり、一見すると甲羅に見える背部は体側部に堅く角質化した皮膚質の隆起、四肢の水掻きは水辺を棲息圏とした進化を表すものである。
これらの特徴を、当時の人々がモデルとして架空の生物としての河童を創造したものと考えられる。
尚、この生物はカメ、トカゲ、ヘビ、ワニなどの従来の爬虫類とは異なる新種として定義する為、便宜上「無鱗目・河童科・河童」とする。
採集年 2004年
サイズ A3 (420×297mm)
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