European Dragon
 
  竜
竜
 
竜
 
 

 竜(European Dragon):爬虫綱有鱗目トカゲ亜目

 ブリテン島(英国)はウェールズ、カンブリア山地にほど近い深き森に前世紀まで棲息していたとされる中型のトカゲの一種。
 前肢が蝙蝠の様な皮膚質の翼になっており、これにより飛行が可能になっているものと思われる。
 ただし、その体格及び上半身の構造から、飛行、あるいは飛翔といった行動をとることはまず力学的に不可能であり、むしろ木々の間を滑空していたものと考えることが妥当であると言えよう。
 前肢に確認できる鈎爪のある2対の独立した指を使い、樹によじ上り、森の中を自在に飛びまわっていたことが容易に想像できる。
 また、古生代に存在した翼龍の類と異なり、飛膜が後肢まで達していないことは、この樹上生活に適した結果ではないかと考えられる。
 西洋の竜、つまり伝承に登場する人間を襲うドラゴンは、この生物をモデルに想像された怪物ではないかと思われる。
 或るいは、実際このトカゲの仲間が当時はもっと巨大な体躯を有し、害獣として人間に駆逐された結果、種として弱体化した為に小型化(つまり現在の大きさ)したとも考えられる。

 本標本は彼の地で農業を営んでいるW.ウイリアムズ氏が、先々代から受け継いだものを特別に譲渡して頂いた物である。

採集年 2003年
サイズ S15 (651×651mm)
 
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