能動植物
「能動植物」とは端的に言えば「歩き回る植物」である。
多くの種には「歩脚」とでも呼ぶべき脚が生えており、これで自由に歩行活動を行い、この点が通常の植物と大きく異なる点と言えよう。
一般に植物の定義として
1. 光合成を行う
2. 細胞壁を持ち、多細胞のものは先端成長をする
3. 非運動性
この内、能動植物に関しては第3の定義が適応されないのである。
本来、植物とは「動かない」ものであり、一部の食虫植物などに見られる捕食器官も必要以上に動かしすぎるとエネルギーを使いすぎてしまい個体そのものが枯れてしまう。
つまり、植物にはその体を動かす程のポテンシャルが備わっていないのである。
植物にとって必要なエネルギーは根から吸収する水や養分、そして光合成で生産される炭水化物なのだが、能動植物の場合、これら以外の何らかのものを得、それによって活動していると考えられる。
おそらく能動植物類は空気中の窒素を吸収し、窒素固定することなく代謝しエネルギーとして利用する機能が備わっているのではないかと思われる。
この仕組みについては更なる研究が必要である。
また、当然ながら能動植物類は植物に近い生物なので、動物のような感覚器は無い。
それは偏に植物には「脳」を筆頭とした中枢神経系が存在しないからなのだが。
・・・とは言え、植物にも光を感じる事は出来るし、空気中の振動として音を感じる事もあろうが・・・
このように外界の情報をより正確に受けることが出来ない、さらにはそれにより何かしらの判断を行う事も出来ない能動植物が活動を行うことは不思議でならない。
特に歩行する能動植物が障害物にぶつかることなく動き回れる事は驚愕に値すると言えよう。
この点に関しても更なる研究が必要である。
現段階においては、そのほとんどが謎に包まれているこの能動植物ではあるが、更なる研究が進み詳しい生態が明らかになった暁には、今世紀最大の発見になるのかも知れない。
能動植物 分類
* 能動類・・・そのほとんどが歩脚を有し歩行を行う種
・能動植物能動類 甲型
甲型は能動植物の中では原始的な部類であり、歩脚は根が進化したものと考えられる
歩脚に関節は無く、頭足類の椀に近い
現在、イ属(頭足類型)、及びロ属(非移動型)が発見されている
・能動植物能動類 乙型
乙型は歩脚に関節を有する種である
歩脚は根から発達したものでは無く、能動植物特有の器官と言える
「前後」があり(一部例外有り)、歩行は前進のみで後退することは出来ないようである
長期間歩行を行わないと歩脚先端部より根が生えて脚を地中に固定する
イ属〜脊椎動物の関節に近い構造となっている
ロ属〜関節の構造は昆虫などのそれに近い
ハ属〜イ属の関節と同じ構造だが、よりしなやかで運動性に優れる
・能動植物能動類 丙型
丙型はキノコに近い形状をしている
歩脚は甲型同様で関節は無い
現在、イ属(頭足類型)のみ発見されている
・能動植物能動類 丁型
丁型はサボテンに近い形状をしている
走光性を示し砂地を好む
イ属(四足型)、及びロ属(二足型)が確認されている
・能動植物能動類 戊型
戊型は歩脚が無く、普段は地面に根を降ろし移動はしない
成熟した株から分離した茎が新たな棲息地に到達するまでの間、ヘビのように這って移動する
現在、イ属(爬行型)のみ発見されている
* 非能動類・・・地面に根を降ろし移動はしない
・能動植物非能動類 甲型
現在、非能動類は甲型ロ属のみ確認されている
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