西暦2011年秋、私はとある無人島に調査に向かったのだった。
それは、南アフリカ、コモロ諸島、そしてインドネシアで発見された「シーラカンス」の現生属である「ラティメリア」の新種と、その眷属とみられる数種の魚類だった。
新種のラティメリアは他の現生ラティメリアより小型ではあるものの、形態的には大差はなく同属と考えられる。
これらから、現存する魚類に似たシーラカンスの眷属たちは、所謂「収斂進化」により長い時間をかけて生息環境に適応したものと考えることが妥当と言えよう。
何れにせよ、この島内淡水域、及び周辺海域のさらなる調査探索が必要である。 江本 創
|